海外旅行の楽しみの1つが免税店でのお買い物という方も多いかと思います。
免税店では通常日本で支払っている消費税や輸入したものにかけられている税金(いわゆる関税)が免除されているため、免税店外で購入するよりも何%も安く購入できるようになっています。
しかし今まで免税店を利用したことがない場合、「どうやって利用すればいいの?」「何か準備は必要なの?」「そもそも何を買うとお得なの?」 と様々な不安があるかと思います。
そこでこの記事では初めての方でも安心して免税店を利用する事ができるように、免税店での買い物の仕方や注意点をまとめてみますのでぜひ参考にしてみてください。
空港の免税店で商品を購入する方法は2通りある
まず最初に知っておきたいのが、空港の免税店で商品を購入する方法というのは実は以下の2通りある ということです。これは意外と知らない方もいるのですが、知っておくと非常に便利で得なので目を通してみてください。
①直接空港内の免税店で購入
②事前に予約しておいて購入
何となく免税店というと直接空港内の免税店で購入する事を想像しますが、実は事前に予約しておくことも可能です。そして事前に予約しておく事のメリットもありますので、その辺を知った上でご利用されると良いかなと思います。
①直接空港内の免税店で購入する方法と流れ
まずは空港内の免税店で直接購入する方法です。
免税店で商品を安く買えるのは日本国内で支払っている消費税や海外からの輸入品に対してかかっている関税がかからないという仕組みに基づいていますので、海外旅行に行く方(帰ってくる方)が対象です。
ここでは、海外旅行に行く時(日本から出国する時)を想定してお伝えします。帰りにも利用できますが、利用方法は同じです。
STEP1 空港に行き「チェックイン」「預け荷物」「保安検査」「出国審査」を済ませる
免税店は出国審査後のエリアにあるので、免税店で買い物をするためには空港に行ってチェックインや保安検査や出国審査を済ませた後になります。
このあたりの細かな注意点や気になるポイントは以下の記事にまとめていますので、チェックしてみてください。
STEP2 好きなお店に入り商品を物色・購入
出国審査を終えるともうそこは免税店エリアが広がっています。飲食店以外のお店は基本的にどこも免税店となっているのでお好きな店を見て気に入ったものがあればレジへ持っていきましょう。
免税店を利用するのが初めての場合は「これってどれくらい安くなっているんですか?」と聞いてみてもOKです。店員さんが優しく教えてくれます。
STEP3 支払い時にパスポートと搭乗券を見せる
免税店で買い物をする際には支払い時にパスポートと搭乗券の提示を求められます(どちらかだけの場合もあります)。スタッフさんの指示に従って提示しまして普通に買い物をすれば大丈夫です。
購入後は開封せずに旅行先もしくは帰国先まで持っていきましょう。
②事前に予約しておいて購入する方法と流れ
旅行前に欲しい免税品が決まっている場合や、人から購入を頼まれているような物に関しては予め予約して購入することも可能 です。
この方法を利用するメリットは、免税価格からさらに割引があったり人気商品や国内未発売商品を、確実に購入できたり、利用ターミナル以外の免税商品も購入できるというところにあります。
もちろん時間があれば事前予約したものを購入しつつ、それ以外の商品を直接空港内の免税店で購入することもできるのでご安心ください。では実際の流れをご確認ください。
STEP1 事前予約可能な免税店サイトへいく
事前予約を行う場合は、事前予約可能な免税店サイトにアクセスします。ただこの時面倒なのが免税店サイトが何種類もあるということです。
下記に空港別にまとめています ので、ご自分の利用される空港の免税店サイトをチェックしてみてください。何種類も免税店サイトがあるのは運営者が違うからです。空港直営のものがあったり、航空会社のものがあったりと様々です。
取り扱い商品や特典(ポイント付与や割引)も各サイトによって若干異なるので注意が必要です。
成田空港の事前予約可能な免税店サイト
・Fa-So-Ra▶︎化粧品を中心に様々な免税品を扱う成田空港最大の免税店
・JapanDutyFree▶︎全品5%オフになる免税店サイト
・ANADutyFree▶︎ANAカードで最大10%オフ、マイルも溜まる
・JALDutyFree▶︎第二ターミナル利用者のみ、JALカードで最大10%オフ
羽田空港の事前予約可能な免税店サイト
・TIAT DUTY FREE▶︎羽田最大級の免税ショップ
・ANADutyFree▶︎ANAカードで最大10%オフ、マイルも溜まる
・JALDutyFree▶︎JALカードで最大10%オフ
中部国際空港の事前予約可能な免税店サイト
・CentrairDutyFree▶︎唯一の免税店サイト
関西国際空港の事前予約可能な免税店サイト
・KIXDutyFree▶︎関空直営最大級の免税サイト、5%オフ
・A.S.D
・ANADutyFree▶︎ANAカードで最大10%オフ、マイルも溜まる
福岡空港の事前予約可能な免税店サイト
STEP2 予約したい商品を選択し購入予約
各サイト内で詳しい購入方法や受け取り方法などが解説されていますので、その指示に従って購入してください。購入の際には受け取り場所がどこにあるのかを事前に確認しておく事をおすすめします。
STEP3 注文受付メールを確認
注文の際に入力したメールアドレスに予約した内容が届きます。出発当日に提示できるようにプリントアウトするか、携帯の画面をすぐに出せるようにしておきましょう。
STEP4 指定場所で予約商品を受け取り
旅行当日に指定された免税店で予約内容を提示し、予約した品物を受け取ります。
空港免税店を利用する際の注意点
ここまで空港の免税店の利用方法について2つの方法に分けてお伝えしてきました。ご覧いただいた通り、購入方法としては通常の買い物に加えてパスポートや搭乗券を見せるだけで簡単に済ますことができますが、実は免税品の買い物には注意点も多数あります。
代表的な注意点として以下の6つを挙げたいと思いますので確認してみてください。
①液体物の購入には要注意(トランジットがある場合)
②限度量や限度額を超えた買い物に要注意
③商品の開封には要注意
④日本の免税店と旅先の免税店どっちで買うか
⑤ANAカードやJALカードがあるとお得になる
⑥そもそもアマゾンなどで買った方が安い場合もある
注意点①液体物の購入には要注意(トランジットがある場合)
トランジットがある場合に、最初の空港で免税店で香水や化粧品などの液体物を購入する場合は注意が必要 です。
大前提として航空機への液体物への持ち込みというのは制限があり、出国審査を受ける前のX線検査時にチェックがあります。免税店は出国審査後にあるため、そこで購入した液体物は基本的に頑丈に封をされた状態で渡され機内に持ち込むことができます。
しかし直行便ではなくトランジットで一度どこかの空港で乗り換える場合、再度X検査にかけられる場合もあるため、その際に規定量以上の液体物を持っていると例え免税店で購入したものであっても没収されてしまう のです。
しかも厄介なのが全てのトランジット空港で、再度チェックがあるわけではなく空港によって対応がまちまちという点です。
ちなみに私はシンガポールのチャンギ国際空港でトランジットする際に、出国審査後に購入した飲み物を乗り換え便登場前の検査で没収されてしまった経験があります。
上の写真のように、チャンギの場合は搭乗直前で再度手荷物検査等を実施するため液体物などがあると没収されてしまいます。
このようなトランジットで没収されるケースというのは、意外と誰も教えてくれなかったりしますので十分注意が必要です。
ですので、トランジットがある場合は念のため規定量以上の液体物は買わない方が無難です。どうしても購入が必要な場合は街中の免税店で購入して帰国時に預け入れ荷物の中に予め入れておくなどの対策をする必要があります。
注意点②限度量や限度額を超えた買い物に要注意
実は免税品にも購入していい量や額に限度がありますので、それを超える量を購入しないようにしましょう。代表的なものとしては下記のような制限があります。
例えば一つ20万円以上するカバンを購入した場合は20万円までが免税対象となり、それ以上の金額には税金がかかります。
他のアイテムについても同様で、お酒も4本目からは税金がかかってきます。他にも限度が設定されている商品がありますので、大量に購入することを考えている方はホームページを予め確認して免税範囲で買い物を楽しむようにしましょう。
注意点③商品の開封には要注意
免税品のルールとして開封してはいけないことにも注意が必要です。免税品は購入した土地ではない国で使うことを原則としているため、購入地で開封してはいけないことになっています。
例えば行きに日本の空港の免税店で購入した化粧品をその場で使いたいと思っても開封はできないのです。もしそこで開封してしまうと日本国内で使用する物と見なされ、通常通り消費税がかかってきてしまう のです。
帰りに関しても同様で、海外の免税店で何か商品を購入した場合は未開封のまま日本の持って帰る必要があります。
免税店の中には購入した商品を袋に入れて出せないように閉じてしまうところもありますし、店員さんから開封しないように言われることもあります。
購入したものをついすぐに開けたくなってしまう方も多いと思いますが、免税品は帰国してからの楽しみにとっておきましょう。
注意点④日本の免税店と旅先の免税店どっちで買うか
免税されているからといって必ずしも免税店で売っている商品が一番安いとは限りません。例えば高級ブランドのLOUIS VUITTONの場合、日本の免税店で購入するよりも本場であるフランスの免税店で購入した方が安いです。
これはそもそもの定価が、原産国の方が安く設定されていることが理由なので、ブランド物を買いたい場合はどこの国のブランドなのかを確認し、原産国で購入するのがおすすめ です。(日本の家電は日本で買う方がいいですよね)
私もイタリアに旅行した際にミラノ発祥のプラダやフルラのカバンを購入しましたが、元々の値段がイタリアでは日本と比較しても安く、そこからさらに免税になるのでとてもお得に買い物ができた記憶があります。
また、商品そもそもの定価が異なるだけではなく、海外で買う方が安いケースが他にもあります。それは為替レートの問題です。(1ドルや1ユーロが日本円でいくらになるかということですね)
為替レートは常に変動しているため一概には言いづらいですが、円高(1ドルが110円とか100円)の際は海外旅行や海外での買い物には最適です。為替レートが苦手な方も多いと思うので、具体例を挙げて解説します。
例1:LOUIS VUITTONのカバンを購入する際に、1ユーロが日本円で120円の時と110円の時の違い
1,000ユーロのビトンのカバンをフランスの免税店で購入する際に1ユーロの価格差がどれくらい大きなものになるかを簡単に計算しました。
1ユーロ=110円の場合(円高ユーロ安)▶︎11万円
とっても簡単な計算ですが、1ユーロが10円変わるだけで実際の価格では1万円も差が出る ことがわかります!
例2 : 500ドルのCOACHのカバンを購入する際に1ドルが120円の時と1ドルが110円の時の違い
1ドル=110円の場合(円高ドル安)▶︎5.5万円
となります。このように円高、つまり円の価値が高い状況ではより安く商品を購入することができます。
といってもこんな事考えると面倒なので、いま1ドルや1ユーロがいくらなのかを見て、その価格で購入すると日本で日本円で購入するより得なのか損なのか考えるだけで十分 です!
ちなみに1ドルや1ユーロの価格はグーグルの検索窓で「1ドル」や「1ユーロ」と入れれば出てきますので確認してみてください。
注意点⑤ANAカードやJALカードがあるとお得になる
これは日本の免税店に限った話ですが、ANAカードやJALカードのような航空会社のクレジットカードを使って提携の免税店で購入をするとお得に買い物ができることがあります。
それぞれの航空会社と提携している免税店であればカードを提示するだけで5~10%の割引 がきくと表示されているところもあります。ただ、大半の場合はそのクレジットカードを使って決済をした際に割引率が適用されるというものが多いので注意が必要です。
もちろん航空会社のクレジットカードで決済をすればマイルも貯まりますし、割引も適用されるので、頻繁に飛行機を利用される方や積極的にマイルを貯めたい方にはぜひ免税品の買い物にも航空会社のクレジットカードを使用することをおすすめします。
>ANAカードの会員特典を見る
>JALカードの会員特典を見る
注意点⑥そもそもアマゾンなどで買った方が安い場合もある
ここまで免税店での買い物について触れてきましたが、免税品は基本的に定価から税金分が値引きされているだけです。
ですので、免税店で購入するよりもアマゾンや楽天といった通販で購入した方が安い商品も多々あったりするのが実情 なのです。
「免税品=1番安い」というわけではないことを頭の片隅に入れておくようにしましょう。私は免税品を購入するときはAmazonでの価格をチェックしてから購入しています。
さらにお酒のように重たいもので値段がさほど変わらないのであればわざわざ旅行荷物をパンパンにして自分で持って帰らなくても通販で購入して宅配で家まで届けてくれる方が便利だったりもします。
価格のみならず、そのような利便性など総合的に検討すると賢い買い物ができるかと思います。
空港免税店の利用方法まとめ
以上免税品の購入方法から注意点までを述べてきました。
ルールを熟知した上で正しく制度を利用すればお得に買い物ができるのが免税店の醍醐味です。ただ、知らないとせっかく手に入れたものが没収されてしまったり、無駄な税金を払ったりする事態にもなりかねません。
免税事情や手続きをしっかり調べた上で、定価ではなかなか手が出せない商品を免税品でリーズナブルに手に入れてみてはいかがでしょうか。
時間に余裕があれば免税店サイトで欲しいものがないか物色してみるのも楽しいのでおすすめです。