一度は乗ってみたい飛行機のファーストクラス。そのお値段はエコノミークラスの数倍〜数十倍になることもあり、なかなか気軽に乗れるものではありませんよね。
でも実はファーストクラスって思っていたより安かったり、価格差ほどサービスの違いなくない? と感じる事もあったりします。
そこでこの記事では、実はあまりよく知らないファーストクラスについて、エコノミークラスと違いを比較しながらその魅力や実態をお伝えしたいと思います。
もくじ
ファーストクラスとエコノミークラスはここが違う
ファーストクラスとエコノミークラスの違いというのは単に値段やシートの違いだけであはありません。空港出発前も到着後も違うのがファーストクラスなのです。
具体的に言うと大きく下記の8点 においてファーストクラスとエコノミークラスの違いが顕著に現れていますので、ここを1つ1つ解説していきたいと思います。
①空港に着くまで
②空港での手続き
③ラウンジ
④CAの対応
⑤機内食
⑥席、アメニティ
⑦到着してから
⑧値段
エコノミーとファーストの違い①空港に着くまで
通常エコノミークラスを利用する場合は電車や車などを利用して各自で空港に向かいますが、ファーストクラスの場合はまずそこから違います。
日本の航空会社ではないですが、中東のエミレーツ航空などではファーストクラスの利用客は専用の送迎車で自宅やホテルから空港まで送迎をしてもらう事ができます 。
しかも送迎車はただの車ではなく、メルセデスベンツやBMWといった高級外車です。しかもただのベンツではなく、Sクラスという最高級ランクのメルセデスベンツでのお迎えです。
ちなみに日本のANAでも帰りだけお送りするサービスはあるようですが、高級外車での送迎ではなくタクシーのような「ハイヤー」での送迎となっているので、高級感では負けています。
下記の記事でも各国の航空会社のファーストクラスを紹介していますが、どうしても日本の航空会社のサービスというのは地味でラグジュアリー感が少ない のが特徴です。
もちろんそれ以外の部分での良さがあるのですが、やはり外国の航空会社はこういった細かなところでも高級感の演出が素晴らしいなと思います。
エコノミーとファーストの違い②空港での手続き
空港に到着するとまず行うのがチェックインカウンターでの手続きです。最近ではオンラインチェックインや、空港に設置されているエクスプレスチェックインなどもありますが、エコノミークラスであればだいたい2時間前に空港に到着してチェックインを行う必要があります。
時間帯によってはチェックインカウンターに長い行列ができていることもあり、手続きまでにかなり時間を要することもありますよね。また、預けられる荷物の重量にも制限があるのが特徴です。
一方ファーストクラスであれば専用のチェックインカウンター が設けられており、スムーズに手続きができるようになっています。
そのため、航空会社によって多少異なりますが、45分~1時間前までに空港に着いていればOKとしていることが多いです。
先ほどお伝えしたような送迎サービスがある場合は、専用のリムジンで空港に到着してそのまま専用のカウンター、専任のスタッフに対応を引き継がれ、シームレスなおもてなしを受ける事ができます。
もちろん預けられる荷物の重量制限もエコノミークラスより多くなっています。さらにチェックインしてからの保安検査といった手続きに関しても専用のレーンが設けられている空港もあり、ファーストクラス利用客が優遇されていることも多いです。
ANAスイートチェックイン
実際にANAでは、ANAスイートチェックインと言って、成田空港などの一部の空港で専用のチェックインとレセプションを設けています。
またチェックイン後は専用通路からそのまま専用の保安検査場まで行く事ができるので、プライバシーもかなり高いレベルで確保されています。
エコノミーとファーストの違い③ラウンジ
エコノミークラスだと利用できないラウンジも、ファーストクラス利用客であればもちろん利用する事が可能です。
提携クレジットカードを持っていると使えるような、いわゆる「カードラウンジ」は保安検査前にあることも多く、多くの方が利用できるため混雑していたり、サービスもソフトドリンクやおつまみ程度だったりするなど、正直ふつうです。
一方ファーストクラス利用客が使用できるラウンジは、保安検査後の最も利便性の高い場所にあるため、搭乗まで余裕を持って利用する事ができます。
サービスもカードラウンジとは雲泥の差 があり、シャワーが使えたり、美味しい食事が提供されたり、アルコールを含む種類豊富なドリンクを楽しめたりと充実しています。
特に成田空港や羽田空港など各国の主要な国際空港のファーストクラスラウンジは、各社ともにかなり力を入れていて、目の前でシェフがステーキを焼いてくれたり、握りたてのお寿司が頂けたりと高級レストランに来ているようなラインナップが揃っていることもあります。
例えばANAであれば、通常のANAラウンジの上のランクにあたるANAスイートラウンジというものがあり、ダイヤモンドサービスメンバーやファーストクラス搭乗者のみが利用できるようになっています。(後で説明しますがある方法を使えば対象者以外も利用できます)
ラウンジによってはスパサービスを提供しているところもあり、フライト前の疲れをしっかり癒やせるようになってたりもします。
ANAスイートラウンジは実は誰でも利用できる
ANAではファーストクラス利用客はANAスイートクラスラウンジという、最上級のラウンジを利用することができます。(ビジネスクラスは1つ下のANAラウンジ)
このラウンジでは、ラグジュアリーな空間はもちろんのこと、質にこだわった上質な料理やアルコールドリンクなど様々なサービスを享受することが可能です。
しかしそんな高貴なラウンジですが、実は誰でも利用する事ができます 。その方法はANAのプラチナサービスメンバーに配布されている「ANAスイートラウンジ利用券を購入する」という事。
メルカリなどで1枚あたり3,000円ほどで販売されていますので、興味がある方は試してみてはいかがでしょうか。
もちろん利用には、当日のANAの国際線搭乗券が必要になりますので、利用条件等については十分ご注意ください。
エコノミーとファーストの違い④CAの対応
エコノミークラスであれば通常多くのお客様に対して、数名のCAで対応します。一方でファーストクラスであれば数名の利用客に対して1人のCAがつくので非常に手厚いサービスを受ける事ができます 。
ファーストクラスなどでは、搭乗するとまずCAさんが挨拶に来られて1人1人に自己紹介をしたりして、かなり手厚くおもてなしをしてくれます。
また搭乗直後にすぐに飲み物を出してもらったり、雑誌や新聞などを選ばせてもらったりとエコノミークラスの乗客が搭乗するまでの間も退屈しないようにサービスが行われます。
夜便や早朝便など、フライトで寝たい方にはCAさんがシートをベッドメイキングしてくれたりもします。
また、ファーストクラスを担当するCAは長いキャリアを積まれたベテランの方が多く、乗客が何か頼む前に伺いに来るなど一歩進んだ、かゆいところに手が届くようなサービスを徹底しているため、心身ともに非常に満足度の高いサービスを受ける事ができます。
エコノミーとファーストの違い⑤機内食
エコノミークラスでは機内食は決まった時間に提供されます。飛行機に搭乗経験がある方はご存知だと思いますが、離陸後しばらくしてからドリンクの提供があり、その後に機内食が提供されるケースが多いですよね。
飛行機の離発着時間にもよりますが、人によっては空港で食べてしまっていたり、逆に機内食を食べるために何も食べていなかったりする方など様々だと思います。
しかし、機内食の提供の時間は決められているので食べたいタイミングで食べることが難しいのがエコノミークラスの実情です。
一方ファーストクラスであれば機内食の提供時間は決まっていません。そのため、好きなタイミングで好きなだけ食べられる のがファーストクラスの特権です。
もちろん飲み物も多数取り揃えてあり、アルコールでもソフトドリンクでも好きなタイミングでいくらでも頂くことができます。
前述の通り、数名のファーストクラス利用客に対してCAが1人で対応するので呼べばすぐに対応してもらえるのも嬉しいポイントです。
また、機内食の内容に関してもシェフ監修だったり、素材や調理法にこだわっていたりするなど、エコノミークラスとは比べ物にならないほど豪華な食事が提供されます。機内食を楽しみにしているファーストクラス利用客も少なくありません。
エコノミーとファーストの違い⑥席・アメニティ
エコノミークラスは「エコノミークラス症候群」という言葉があるように座席間隔が狭いことが特徴です。また、席自体もリクライニングはできるものの、後ろの席に気を遣ってしまったりしてあまり倒すこともできません。
そのため長時間のフライトだとなかなかゆっくり休めなかったり、隣の方との距離が気になったりしてお世辞にも「快適」とは言い難い環境ですよね。
一方でファーストクラスは別世界です。
席は個室または半個室でプライベート空間が確保され、席のつくりもソファーのようになっていたり、フルフラットにできたりするなど長いフライトであってもゆったりと寛ぐことができるようになっています 。
例えばシンガポール航空の提供する「スイートクラス」という、ファーストクラスのもう一段階上のクラスでは、まるでホテルの客室のような空間を提供しています。
またエミレーツ航空のファーストクラスの座席は、下の画像のようにANAやJALとは比べ物にならないくらいゴージャスな空間となっています。
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なお最近世界の航空会社のファーストクラスのスタンダードになりつつあるのが、ファーストクラスの乗客専用の機内ラウンジスペースです。
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座席だけでなく、こういったパブリックスペースも用意することで、寛ぎを与えるとともに様々な用途にも対右往できるように配慮されています。
ちなみにですが、ファーストクラスはアメニティもエコノミークラスのそれとは異なります 。例えばANAであればヘッドフォンはソニー製、布団は東京西川の布団といった感じで一流ブランドの製品が用意されています。
エコノミーとファーストの違い⑦到着後
目的地に到着してからもファーストクラス利用客は優遇されます。飛行機の到着時間が他のフライトとかぶってしまった場合など、入国審査でも長い列に並ばなくてはいけないケースもありますが、ファーストクラスであれば専用のゲートがあるため、待たずにスムーズに審査を通過することが可能 です。
さらに、審査を受けたあとにある荷物受け取りでもファーストクラス利用客は優先されます。ファーストクラス利用客の荷物は預ける際に「PRIORITY」シールが貼られ、エコノミークラスの乗客よりも先に出てくるようになっています。そのため、到着後も待つことなくすぐに移動することが可能になっています。
また往路と同様に、多くの航空会社では空港からホテルや観光地など目的地までの送迎を用意しており、搭乗後も含めてVIP待遇を受ける事ができます。
エコノミーとファーストの違い⑧値段
言わずもがな、ファーストクラスとエコノミークラスでは値段が大きくに異なってきます。航空会社によっても設定金額は異なるので一概にどれくらい差があるのかは言うのはなかなか難しいです。
ただファーストクラスと言っても航路や購入時期によっても大きく値段に差があるので、実は賢く買えばそこまで高い金額を出さなくても購入する事ができたりします 。
例えば下の画像は東京-ホノルルのANAのファーストクラスですが、Basicという「席の変更や払い戻しに際し手数料がかかるプラン」であれば、なんと片道25万円で乗る事ができます。
もちろん高いのには変わりないのですが、思っていたより安いと思う方も多いのではないでしょうか?
ちなみに同条件のエコノミークラスの場合、約5万円で搭乗可能ですので価格差としては約5倍あるということになります。
個人的には5倍もお金を出すだけの価値があるのかイマイチ分かりませんが、旅行の気分を上げるためにはファーストクラスを利用してみるのもアリかもしれません。
またマイルをたくさん貯めれば特典航空券としてファーストクラスを取ることも可能 で、そういった方法を使ってファーストクラスに乗っている方もいますので、「絶対にファーストクラスに乗りたい!」という方は色々な方法を試行錯誤すれば困難な願望ではないはずです!
エコノミークラスとファーストクラスの違いまとめ
ファーストクラスとなるとお値段も上がりますが、受けられるサービスもグンと上がることが分かって頂けたかと思います。
とはいえ見ていただいたように価格差はエコノミーの約5倍〜10倍。そこまでの価値を感じるか否かはひとそれぞれではハネムーンやご褒美旅行など、特別な時にはファーストクラスの利用を検討してみても良いかもしれません。
これはプライオリティパスを持っていればどなたでも利用可能なので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。