2017年3月27日、格安旅行会社の「てるみくらぶ」が150億円以上の負債をかかえ倒産しました。このニュースに衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか?
この「てるみくらぶ問題」が大きなニュースになっているのは、倒産寸前まで旅行を募ったあげくなんの通告もなしに倒産したため多くの人が多大な損害を被っているということです。
倒産前にこの会社に旅行を申し込んで料金を払っていた場合、お金が返ってくる可能性はまずないに等しいです。
また、破産時に旅行中だった方はホテルや航空券がキャンセルされており自腹で航空券やホテルを再度抑えなければならなくなっているようです。
一部では「詐欺だ」という声も挙がっていますが、まさにそうですよね。被害者の方は腹わたが煮えくり返るような思いをしているに違いません。
このように、これだけ大きな事件となってしまった「てるみくらぶの倒産」ですが、倒産する前に見抜くことはできなかったのでしょうか?そして今後、旅行はどの会社で申し込むのがよいのでしょうか?
二度とこんなひどい会社が現れないことを祈りつつも、「自分の身は自分で守る」ためにどんなことに気をつけて旅行会社を選べばよいのか考えてみたいと思います。
もくじ
倒産の前兆はあった
後出しジャンケンでしかないのですが、実は「てるみくらぶの倒産」にはいくつか前兆があったようです。
①倒産の数日前まで現金一括キャンペーンの広告
てるみくらぶ
一昨日の朝刊
この広告の『現金一括入金キャンペーン!』って文字をみた時、ヤバいんじゃないかと思った
本当にドロンか… pic.twitter.com/xkm5EPyj94— キハ5501 (@kiha5501) 2017年3月25日
まず、倒産の兆候1つめがこの「現金一括キャンペーン」です。
なぜこれが倒産の兆候なのかというと、それはお金の入るタイミングということを考えれば分かります。
現在多くの方が旅行などの代金を「クレジットカード」で支払いますがクレジットで支払われた代金はすぐに企業に支払われるのではなく後でまとめてカード会社から支払われます。
そうするとどうなるかと言うと、お金の入金に時間差が生まれます。
ただ、旅行会社はお客様の料金を受け取れていなくてもクレジットの支払い確認さえできていれば、航空券やホテルを抑えなければならないので先にお金を立て替えなければなりません。
そうなると支払われたお金が手元に届くまでは簡単に言うと自腹を切らなければなりません。お金が潤沢にある会社ならば問題ないのですが、お金がない会社はお金のやりくりに困ります。
つまり、航空券やホテルをおさえるためのお金がなくなるのです。
するとどうするかと言うと、「現金」で「一括」で払って貰えば時間差なくお金が手元に入るので一時的にはお金を賄うことができるのです。
しかし想像していただくとわかる通り、これはまさにギリギリの状態です。どこかで資金の流入が滞ってしまうと一気にお金が払えなくなり破産します。
そう、今回のてるみくらぶのように。
そのため、このように「現金一括」などでお金を集めている会社は相当危ないと思っておいた方が懸命です。倒産秒読みという段階にきています。
②支払いの催促がすごかった
てるみくらぶ、こないだハワイ行くとき使ったけど旅行代金振込期限がずっと先なのに今すぐ金払え(現金only)って催促きてて俺は無事旅行行けたけどやっぱりデフォルトかぁ。#てるみくらぶ
— ゆーき (@65yut20) 2017年3月24日
またもう1つの兆候として、支払いの催促がすごかったということが挙げられます。上に一例としてツイートを引用させていただきましたが、このように支払い期限がずっと先にも関わらず振り込みを催促された方が多くいらっしゃったようです。
これも、手元にお金がないことによる焦りからきたものだと思われます。
③番組スポンサーを降板していた
てるみくらぶはつい最近まで、「ハワイに恋して」という番組の番組スポンサーを務めていました。要は番組にお金を払ってCMを流していたんです。
しかし、倒産の1週間ほど前の3/19に突如番組スポンサーを降り、番組は打ち切りとなりました。
後出しジャンケン感は否めませんがこういったことも倒産の前兆だったと考えられます。
④やたらと広告を出していた
これはよく企業の倒産の前兆として言われますが、てるみくらぶは倒産前やたらと新聞などで宣伝をしていました。このように、企業が突如大量の広告を出すときは倒産の前触れとなることがあるようです。
例えば数年前に倒産した駅前留学のNOVAも倒産前に大量の広告を出稿していました。
危ない会社を避ける2つの方法
ではこのような酷い会社に巻き込まれないためにはどうすればよいのでしょうか?私たち消費者が取れる対策は次の2つです。
①大手の旅行会社を利用する
まず1つめは当たり前といえば当たり前ですが、大手の旅行会社を利用することです。
理由は簡単で、大手の旅行会社は資本が大きいので潰れる可能性が低いということです。
この資本金が多いとどうなるかと言うと、もともと自分の手元にあるお金が多いので銀行などからあまりお金を借りなくていいのです。
そうすると自分のお金でやりくりできるので、例え一時的に何かがあったとしても今回のてるみくらぶのように資金繰りに苦労する可能性は低いのです。
なお、今回倒産したてるみくらぶの資本金は6,000万円でした。
この6,000万円というのは決して極端に少ないというわけではありませんが、企業規模でいうと中規模企業ということになります。
今回の事例を教訓にするのであれば、中規模の会社でも倒産する可能性があるということです。そのため、今後は不安であれば大企業を選ぶことが賢明な判断となるでしょう。
業界大手のJTBは資本金23億円、HISは110億円となっています。いかがでしょうか?てるみくらぶとは資本の規模が桁違いなのがお分かりいただけるかと思います。
旅行業界のように1つ1つの商品が少額である場合、これだけの資本力があればまず突然倒産するということは考えにくいので、大手を選ぶというのが良いと思います。
②後ろ盾の強い会社を選ぶ
大手の旅行会社を選ぶ以外に重要なのが、後ろ盾のある旅行会社を選ぶということです。
どういうことかと言うと、楽天トラベルやDeNAトラベルのように関連企業が大きい会社を選ぶということです。
なぜなら、もしこれらの旅行会社が潰れそうになった場合、親会社である楽天やDeNA本体の資本を持って来れば倒産を免れる可能性は高いですし、倒産したとしても旅行代金の返却などはできる可能性が高いからです。
今回のてるみくらぶのように何の後ろ盾もない会社の場合は、本業がうまくいかなくなるとその時点で終わりです。後ろ盾がある会社は実際どうとでもなります。
ですので、この後ろ盾があるか否かも非常に重要な要素になってきます。
例えばDeNAトラベルの資本金はてるみくらぶとあまり変わらない1億円です。しかし、DeNAという大きな会社の後ろ盾があるおかげで消費者は安心して選ぶことができます。
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おすすめの予約サイト
当サイトでは、今回のてるみくらぶのような件を避けるためにも様々な点から旅行会社・予約会社を評価してランク付しています。
海外旅行予約サイト
てるみくらぶのような事件はほぼ確実に起きないであろう会社だけを選別したうえで、ランキングにしています。
様々な角度から会社やサービスを見たうえで選んでいますので、安心して旅行代金を支払える会社です。
特にコロナ禍を経ても残っている会社というのは、かなり体力がある会社ですので安心しましょう。
海外ホテル予約サイト
こちらが海外ホテル予約サイトです。基本的には使い勝手のよさや評判、価格などを基準にしていますが、いずれの会社も資本規模は大きく安定しています。
今回のような事態は避けられるでしょう。
国内ホテル
またホテル予約に関しては、海外ホテルと国内ホテルでは事情が変わってきます。下記の記事では、国内ホテルのおすすめ予約サイトについてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
旅行会社にしてもバス会社にしても航空会社にしても現在はどんどん新しい会社・格安をうたう会社が登場していますが、何を選ぶかは消費者に委ねられています。
そのため、われわれ消費者はしっかりとリスクとお金のバランスを考えてサービスを選ぶセレクト力が求められます。
今回の一件で被害にあわれた方は本当に腹立たしい気持ちでいっぱいだと思いますが、今回の件を教訓にこのような被害に遭わないようにしていきたいですね。
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