海外旅行は非常に高い買い物です。何十万〜多ければ百万を超える場合もありますよね。
そんな高価な買い物をするときに不安なのが、急遽行けなくなった場合のキャンセル料ではないでしょうか?
特にインフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行る時期に出発を予定されている方や、小さなお子さん、ご高齢の方がいらっしゃる場合などは急遽行けなくなることも可能性としては十分に考えられます。
そこで今回は、海外旅行をキャンセルした場合のキャンセル料と、万が一キャンセルすることに備えてできる対策、キャンセル保険についてお伝えしたいと思います。
各社で特例措置としてキャンセル規定に関わらず、キャンセル料なしでキャンセルが可能になっていたり、返金が行われていたりします。各社の公式サイトへのリンクを掲載しておきますのでご確認ください。
もくじ
海外旅行のキャンセル料っていつからどれくらいかかるの?
海外旅行のキャンセルについて知るには、まず海外旅行のキャンセル料って「いつからどれくらいの金額」が発生するのか確認する必要があります。
おおよそどこの旅行会社も同じようなキャンセル規定になっていますので、今回は代表的な旅行ツアー会社の「JTB」「HIS」と、個人手配という視点で「ANA」のキャンセル規定とホテル予約のキャンセル規定をご紹介します。
※実際には、ご自身が申し込まれる旅行会社の規約を確認ください。
JTB(海外ツアー)のキャンセル規定
条件 | 取消料 |
---|---|
31~40日前 | 旅行代金の10%(10万円を上限) |
15日~30日前 | ・旅行代金が50万円以上…10万円 ・旅行代金が30万円以上50万円未満…5万円 ・旅行代金が15万円以上30万円未満…3万円 ・旅行代金が10万円以上15万円未満…2万円 ・旅行代金が10万円未満…旅行代金の20% |
3~14日前 | 旅行代金の20% |
当日~前々日 | 旅行代金の50% |
当日または不連絡 | 旅行代金の100% |
JTBのキャンセル規定は上記の通りとなっています。出発の40日前を過ぎると何らかのキャンセル料が発生します。詳しくはこちらをご確認ください。
なお上記のものは海外ツアーに関する規定ですので、航空券とホテルを選んで旅行する「ダイナミックJTB」に関してはこちらをご確認ください。
HIS(ツアー)のキャンセル規定
※スマホの方は横にスライドできます。
条件 | 特定日の旅行 | 特定日以外の旅行 | PEX運賃等を利用する旅行 |
---|---|---|---|
旅行契約締結後に解除する場合 (下記の期日を除く) | 無料 | 旅行契約解除時の 航空券取消料等の額 | |
31~40日前 | 旅行代金の10% | 無料 | 左記または旅行契約解除時の、 航空券取消料等との いずれか大きい額 |
3日~30日前 | 旅行代金の20% | ||
当日~前々日 | 旅行代金の50% | ||
当日または不連絡 | 旅行代金の100% |
上記がHISの海外ツアーのキャンセル規定です。内容はほとんどJTBと同じで、40日前を切ったタイミングから、何かしらのキャンセル料が発生します。
またPEX運賃の航空券を選んでいる場合は、40日前を切っていなくても航空券のキャンセル料が発生します。
※PEX運賃とはANAの早割などの事です。ただ海外ツアーの場合はPEX運賃ではなく、旅行会社用に用意されたIT運賃が多いかと思います。
ANAのキャンセル規定(個人手配の場合)
※下記は日本ーホノルル便のキャンセル規定です。
条件 | エコノミークラス |
---|---|
普通(正規)運賃 | 予約変更:無料 取消:無料 |
Basic | 予約変更:2万〜2.5万 取消:3万円 |
Value | 予約変更:不可 取消:3万円 |
Super Value | 予約変更:不可 取消:不可 |
ANAの場合は、チケットの種類にによって手数料が異なります。正規運賃と呼ばれる航空券の場合、元値は高いのですが変更は無料で可能です。※詳しくはこちら
反対に特別運賃(Basic~Super Value)の場合は、元値が安い代わりにキャンセルとなると手数料数万円という設定になっています。さらにSUPER VALUEなどの最安価格の場合は、払い戻しも変更も一切不可となっています。
※ちなみにANAの場合、国内線のキャンセル規定はゆるく、特別運賃で購入した場合もかなりの割合で返金されます。
ホテル予約のキャンセル規定(個人手配の場合)
航空券を個人手配している場合は、ホテル予約も個人手配しているかと思います。
ホテル予約のキャンセルに関しては「どんな条件で申込をしたか?」によって全く異なってくるので一概に言う事はできません。
例えば海外ホテル予約の主流である、ブッキングドットコムの場合は、申込時にキャンセル無料のプランと、キャンセル不可のプランがあります。
キャンセル無料のプランであれば無料でキャンセルも可能です。
このように、キャンセル料にはしっかりと既定の条件がありますので旅行に申し込む際には、必ずいつまでにキャンセルすればどれくらいのキャンセル料がかかるのか把握しておきましょう。
海外旅行をキャンセル!万が一に備えてできる2つの対策法
旅行のキャンセルは誰しも避けたいと思いますが、インフルエンザやノロウィルスになってしまった場合などはどうやってもキャンセルするしか仕方がないと思います。
そういった万が一の時に備えてできる対策が2つあります。
以上の2つの対策が、万が一に備えては必要となります。いろいろと探してみましたが海外旅行などで万が一キャンセルする場合には、この2つのどちらかの方法しかないです。
対策①キャンセル保険に加入する
キャンセル保険というのは、HISやJTB、エアトリ などの海外旅行ツアー会社で入る場合と、旅行会社とは全く別に、保険専門の会社で加入する2つの方法があります。
旅行会社で入るキャンセル保険とは?
海外旅行を申し込む会社で入る場合というのは、例えばエアトリ などで海外旅行などに申し込む際に、一緒にキャンセル保険に入るという方法です。
申込は旅行の2週間前までで、マイページから加入が可能です。
旅行会社で入るメリット
この場合旅行の契約を既にその旅行会社で行っているので、キャンセル保険を申し込む場合に無駄な情報入力や旅行証明が必要ないという点にメリットがあります。
例えばエアトリ の場合であれば、キャンセル保険にはマイページから登録することが可能です。これを別の会社で契約するとなると、契約した旅行会社名などを一言一句間違わずに入力しなければならないなどの煩わしさが生じます。
旅行会社で入るデメリット
ただもちろんデメリットもあります。こういった海外旅行を販売している会社でキャンセル保険も申し込む場合は、保険専門会社に比べて割高な料金設定となっている場合が多いのです。
価格としては同じでも補償内容が違うみたいな感じで上手に見せているので注意が必要です。
キャンセル保険を用意している旅行会社
当サイトで調査した範囲ですが、キャンセル保険を用意している旅行会社はHISとエアトリ、LINEトラベルの3社でした。
各社とも急な出張や急病に備えたキャンセル保険を用意しています。
保険専門会社で入るキャンセル保険とは?
保険専門会社でキャンセル保険に加入するというのは、旅行キャンセル保険などの保険専門会社で保険に加入しておくことです。
保険専門会社のメリット
これらの会社は保険を専門に扱っているため、旅行会社でそのまま申し込む場合に比べて価格が低いのが特長です。
細かな金額は「どういった補償内容で申し込むか」によって変わってきますが、同じ補償内容で比べた場合は専門の保険会社の方がお得な場合が多いです。
保険専門会社のデメリット
ただ、デメリットは契約が少々面倒くさいということです。旅行を申し込んでいる会社とは別の会社で申し込むことになるため1から情報を正確に入力する必要があります。
特に旅行申込書類の提出が必ず必要で、航空券の申込証明などを送る必要があるためかなり面倒です。
キャンセル保険を用意している保険専門会社
キャンセル保険を用意している保険会社というのはごくわずかです。
最も有名なのが「旅行キャンセル保険」という会社で、その名の通りキャンセル保険を生業としている会社です。
その他にはドイツの保険会社アリアンツ傘下のAWPチケットガードが提供する「トリップキャンセル保険」、ANAの航空券のみ対象の「そらもよう」などがあります。
旅行会社で入るキャンセル保険も保険会社のキャンセル保険も補償対象に注意
最も重要な事をお伝えします。
上記でご紹介した、旅行会社のキャンセル保険も保険会社のキャンセル保険もどちらも「病気で通院や入院」 した場合にキャンセル料が支払われる仕組みになっています。
しかし厳密に内容を見ると「旅行当日か、前日、もしくは翌日に病院に行って診断された」という証明書が最終的に必要になります。
そのため、例えば旅行3日前にインフルエンザになったとしてもキャンセル保険の対象外になるので注意が必要です。
この対象に関しては上の画像のように小さく記載されていますので、申込前には必ず確認しておくようにしてください。※どの会社もこれ以上に対象が広いものはありませんでした。
対策②キャンセルプロテクションの付いているクレジットカードで旅行に申し込んでおく
海外旅行のキャンセルに備えてできる対策のもう1つが、キャンセルプロテクション補償の付いたクレジットカードで旅行代金を支払っておく事です。
クレジットカードにはいろいろな特典が付いています。
例えば楽天カードであれば何かを購入するたびに購入代金の1%がポイントとして付与されますが、それと同様にある特定のクレジットカードで旅行の代金を支払えば、キャンセル保険が自動的についてくるクレジットカードがあるのです。
これをキャンセルプロテクションなどと呼びます。実はこのサービスはカード会社にとってもけっこうなお金を必要とする補償なので、ある限られたクレジットカードにしか付いていません。
こういったクレジットカードで旅行代金や航空券代を支払っておくと万が一の場合に補償が受けられます。
ただし補償対象が狭かったり、補償額が低かったりと十分な補償ではない
残念な話をお伝えしますと、キャンセルプロテクションの補償範囲は、クレジットカードによって異なったり、そもそも補償額が少なかったりという難点があります。
そのため、あくまで気休め程度くらいに考えておく方が賢明です。
キャンセルプロテクションが付いているクレジットカード3選
上記の注意点を加味したうえで、それでも念のためキャンセルプロテクション付きのクレジットカードを検討される方には下記の3つのクレジットカードがおすすめです。
アメリカン・エキスプレス・ゴールドカード/プラチナカード
通称アメックスと呼ばれるカードです。このカードは手厚いサービスと信頼性で有名ですが、ネックとなるのはその年会費の高さです。
その年会費はゴールドカードでも3万円(プラチナは10万円以上)。
もちろんキャンセルプロテクション以外にも様々なサービスがありますが、キャンセルプロテクションだけを目当てに入るのはあまりコスパが良くないかもしれません。
なおアメックスでは補償内容は下記のようになっています。
「カード会員様ご本人、カード会員様ご本人の配偶者またはカード会員様ご本人の子供の傷害による通院に基づくキャンセルの場合:3万円(年間最高)」
決して満足できる金額ではないですよね。そのため、しっかりとした補償を備えておきたい方はキャンセル保険 に入ることをおすすめします。
※なおアメックスカードにはセゾンアメックスなどの提携カードが様々ありますが、キャンセルプロテクションが付くのは「ANAアメックスゴールド」「デルタアメックスゴールド」「SPGアメックス」のみですのでご注意ください。
トラストクラブワールドカード
アメックスカードは高い!という方におすすめなのが、トラストクラブワールドカード。
このクレジットカードもキャンセルプロテクションが付いていて、年間10万円を上限に補償を受けることができます。
アメックスよりも補償が手厚く、なおかつ年会費は12,000円というクレジットカードですので、単純に「キャンセルプロテクションが欲しい!」という場合にはおすすめのカードです。
JTB旅カードJCBゴールド
このカードは旅行会社大手のJTBが発行しているゴールドカードです。
このカードはゴールドカードであるため、もちろんその他の補償も手厚く、「海外旅行傷害保険」はもちろんのこと「国内航空機欠航補償」などの付帯サービスも自動的に付いてきます。
※ただしキャンセルプロテクションはJTBでの旅行のみが対象なので注意
年会費は15,000円しますが、その他にも様々な補償が付いており旅行に行く方にはぴったりのカードとなっています。
キャンセルプロテクション付きクレカを高いと思うか安いと思うか
先ほどキャンセルプロテクション付きのクレジットカードについてご紹介しましたが、それを安いと思うか高いと思うかは人それぞれだと思います。
多くの方は、クレジットカードをわざわざもう1枚作るなんて「もったいないし面倒だしいらない」とお思いかもしれません。しかし旅行にトラブルはつきものです。
特に海外旅行は旅行の何ヶ月も前から旅程を立てられる方も多いと思いますが、数ヶ月後の旅行の際にキャンセルせざるを得ない可能性も0ではありません。
もしその時に、なんの補償にも入っていなければ泣く泣く旅行とお金を諦めることになります。しかし、保険に入るなりキャンセルプロテクションの付いたクレカで支払いをしていれば、キャンセルしたとしてもお金が戻ってきます。
保険というのは、入っている時に限ってなにも起きず、入っていない時に何か起こりがちです。そうであれば常に補償されているキャンセルプロエクション付きクレカを持っておくのもいいのではないでしょうか。
まとめ
今回は、海外旅行のキャンセルについてお伝えしました。海外旅行のキャンセルというのは実はけっこうな頻度で発生しています。
「キャンセルなんてするわけない」と思っていながら、いざキャンセルするとなった時に後悔しないためにも、入る入らないは別にしてキャンセル保険について考えてみると良いかと思います。
なお当サイトでは海外旅行に関する様々な記事を掲載しています。下記の記事では海外旅行に備えて知っておくべきすべての情報を網羅していますので、ぜひご確認ください。